ディーゼルボートを勘違いしていませんか?
前回までお話しました通り、船は一般的に船内機、船内外機、船外機の3種類に区別できます。
その中でも、船内機と船内外機は合わせて『ディーゼルボート』と言われており、ヤンマーの主力製品としてご提供しています。
しかし、ディーゼルボートには結構間違ったイメージが浸透しており、
振動が大きいのでは?
騒音が大きいのでは?
煙が黒いのでは?
ガソリン艇より価格が高いのでは?
このように思われている方が多いのが事実です…。
そこで、今回は間違えた認識を払拭しつつ、「ディーゼルって何がいいの?」というご質問にお答えします!
ディーゼルボートのウソ・ホント!?
ここでは、ディーゼルボートの魅力をしっかりとお伝えします!
① 振動が大きい!?
アウトボードよりは振動が大きいけれど、高性能ゴム製のフレキシブルマウントでエンジンを固定しているため、振動の共鳴を十分に抑えることができ、思ったよりも快適です。
② 騒音が大きい!?
騒音の一番の原因は排気音。
しかし、排気ガスとエンジン冷却水をミキシングして排気(湿式排気)する方法で、排気音をグンと抑えており、エンジンケーシングの遮音効果も十分となっています。
③ 煙が黒い!?
黒鉛の中身は主にスス。
しかし、ブーストコンペンセータの採用で、加速時の余分な燃料噴射を制御し排ガスを抑制できます。
さらに、燃料効率がよいディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ、地球温暖化に多大な影響を及ぼす原因の一つであるCO2(二酸化炭素)の発生量が格段に少なく、環境にやさしい海の原動力として再認識されています。
④ ガソリン艇より価格が高い!?
舶用ディーゼルエンジンは強度の高い素材を使い、耐久性を高めています。
結果、ディーゼルボートは割高になってしまいますが、燃費がいいのでランニングコストはグンと低いのです!
(例)24ftのボートで燃料費を計算してみると…
ヤンマーディーゼル艇:115馬力
船外機 :150馬力
1日釣行での燃料費 (ディーゼルの免税を使用した場合(※))
ヤンマーディーゼル艇:4,500円
船外機 :11,000円
6,500円もの差が!!
毎週釣りに出かけるとすれば…
月4回×6,500=26,000円
年間で計算すると…
26,000×12= 312,000円!!
さらに、ディーゼルボートはメンテナンスしていればほとんど買い換える必要はないので…
3年間は買い替えないとすると…
3年×312,000円=約100万円の差が!!
(※上記データは使用環境、燃料費で差が生じます。ご参考までに。)
環境へのやさしさで選ぶなら、なるほどディーゼルボート!
コスト面で比べても、やっぱりディーゼルボート!
という訳です。
ディーゼルボートが好きになるおいしい情報
ディーゼルボートが好きになる数々のメリットを披露いたします。
① エンジン始動がラク
ディーゼルエンジンは、高圧縮による始動ですから、冬でも一発でエンジンが始動し、沖合いでも安心です。
② 長時間のスロー運転ができる
長時間での低速運転を続けてもエンジンのコンディションは変わることなく、粘り強さと安定したパワーを発揮します。
③ 信頼性、耐久性に優れている
マリンエンジンに求められる最大のポイントは信頼性です。
電気系統部品が少ないため、塩害や湿気に強く、エンジンの造りが丈夫なので、耐久性に優れ、高い信頼性を誇っています。
毎日使われる漁師さんのエンジンでも10~15年は十分に使用されていますからメンテナンスさえしていれば問題ありません。
④ 大きな電力が確保できる
アイドリングでも大きな発電量が得られるので、発電機やエアコン、ポンプ、魚探、ウィンチなどに使える。また、充電能力も高く、大きな電気が確保でき、夜釣り用の照明機具や電動リール用コンセントなど釣の楽しみ方がグンと広がります。
⑤ さらにここ!!免税軽油を使えばさらに経済的
ディーゼルエンジンはガソリンよりも安価な軽油を使えるうえに、軽油は船舶用途では免税となるため、さらに燃料費を抑えることができます。
申請方法はこちら
詳しくはヤンマーのお店へお問い合わせ下さい。
⑥ 燃費がよく、航続時間が長い
ディーゼルエンジンは空気だけを圧縮するので圧縮比を高くでき、熱効率が高く、燃料消費率は小さいため、当然、燃費がよくなります。そのため、同じ燃料の量なら走航できる時間も長くなり、安い燃料費とあいまって、ランニングコストが抑えられます。
いかがでしたか?
ディーゼルボートって奥が深い…!
これまで、ディーゼルボートに乗ったことが無い方は、是非この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?